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ありがとう、無限のファンタジア。
さようなら、無限のファンタジア。
※ ※ ※
以下の内容は「無限のファンタジア」および「エンドブレイカー!」の二次創作です。
※ ※ ※
さようなら、無限のファンタジア。
※ ※ ※
以下の内容は「無限のファンタジア」および「エンドブレイカー!」の二次創作です。
※ ※ ※
「―――お疲れ様」
永劫に近い時間を共にした彼の愛剣。
その蒼い煌めきの残滓が空に散っていく様を見上げて、彼は口許を綻ばせた。
ひとつの役目を終えて彼は安堵する。
世界は救われた。数え切れない英雄の手によって、再び。
今回の物語も、無事平和という名の結末を迎えることが出来たのだ。
「皆、この世界は今日も平和でいますよ」
遠い過去の、けれど色褪せることのない記憶にいる大切な人々を想う。
友、師、家族……日を追う毎に愛しくなっていく彼らの姿。
けれど会えなくなってしまっても、彼らの物語が終焉を迎えても。この世界に終わりはない。
数え切れない出会いと別れと、生と死と、再生と破壊を繰返しながら。悉く生命が生き絶えるまで、逝き絶えるまで。何度でも物語を紡ぎ続けていく。
それが、終わりなき幻想譚。
彼らが守り抜いた、そしてこれからも見護っていくと決めた世界の名前。
「大丈夫。きっと、次も。その次も……」
だから、そう。彼が終焉を迎えるのは、もう少し先のこと――――
◆ ◆ ◆
「……っと」
玄関の扉をノックする音に、少年はまどろみからするすると引き上げられた。
寝ぼけ眼を擦りながら起き抜けの頭でふと、思う。
夢を、見ていた気がする。どんな夢かは思い出せないけれど、幸福な夢を。
「まあ、原因はこれかな」
手元の文面――凝った青色の表装の分厚い古本へ視線を落とし、苦笑気味にこぼす。
読んでいた本に影響されてそれと似たような夢を見ることは彼にとってはよくあることだった。
「………………」
しかし今回はそれとはすこし違うように思う。何が? 何処が? そう自問してみても答えは出ない。
何なのだろう。再び考え込む彼の耳に二度目のノック音が飛び込んだ。
来客を待たせるのは申し訳ない。
思案を止めた少年は椅子から立ち上がりながら、不意にひとつの結論に至る。
これは多分、分からないままの方が良いのかも知れないな――――と。
世の中には解けることで善しとされる疑問が溢れているけれど、解けないことの心地よさもときにはある。
例えば想像の余地とか。きっとそういう類いの疑問なのだ、と
自分にしてなかなかにロマンチックな考え。少年は自然と微笑んでいた。
そして再三扉が叩かれる。
「あ、はい、いま出ます」
少し強めのノックに促されて少年は今度こそ慌ただしく扉に向かう。
陳列された本棚の隙間に、その背中は消えていった。
――――この場から彼の姿が見えなくなった後のこと。
微かな蒼い煌きが、窓から吹き込む風に乗ってやってきた。
それはまるで意思を持ったかのようにテーブルに置かれた本のページを逆さまに捲りはじめる。
玄関から聞こえる談笑の中、やがて風はやみ、開かれたページは最初の項。
束ねられた紙は見るからに古めかしく、丁寧に綴られた文字はまるで異国の――あるいは、異界の――ものであるかのよう。
作者はどこにも記載されておらず不詳。どこでつくられたものなのかも不明。
分かるのは、その内容が異世界での永きに渡る戦いと平和の歴史を、筆者の視点で綴った手記であるということ。
異世界という空想から生まれた物語であるにも関わらず、現実味を帯びて読者に謳ったものであるということ。平和とは、《希望》とは何なのかを。
そう。それは《希望》の物語。果て無き無限の幻想譚。
その本のタイトルは――――
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